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グエムル~漢江の怪物

グエムル~漢江の怪物_a0018010_1110511.jpgグエムルを見てきた。

日本でコケたのをきっかけに、韓国でもその売り方に色々批判が出てきているようだ。

僕はこの映画はとても良い作品だったと思う。
ただし、公開前の大規模なマーケティングや、韓国内の1/3に及ぶ劇場数を押さえた大物量作戦がなくても観客動員数の記録を作れたかというといささか疑問だ。

この作品はハリウッド式のエンターテインメント作品ではないし、怪獣映画に必須の「破壊のカタルシス」もない。
「自分の子供に対する負い目」「良い父親でなかったことへの後悔」を胸に、自分の子供を助けようとする二人のダメな父親の姿が描かれる映画だ。

「怪物」はパク家の極限状況を作り出すための装置として現れる。
彼ら自身が怪物に対して無力なのはもちろん、警察や軍隊も前代未聞の怪事件に対応できず、機能不全に陥る。
彼らは何の助けにもならないばかりか、若干障害を持っていると思われるカンドゥ(ソン・ガンホ)にとってはもう一つの「怪物」となるのだ。



グエムル~漢江の怪物_a0018010_12585572.jpgこの映画の最大の欠点は、そういう映画であることに気づきにくい作り方になっていることだと思う。『グエムル』という作品は、上のポスターのような映画ではなく、本質的にはこっちのポスターのような映画なのだ。このポスターのパク家の人々は、どこからどう見ても怪獣にあっさり踏みつぶされてしまう、「その他大勢」から抜き出してきたような風貌である。

この頼りない家族が、非力な一人の少女を何とか助けようとする。よほどの奇跡が起こらない限り、とても少女を助けることなどできなさそうな状況だ。
そして、奇跡は起こらないまま少女は死に、彼らが自分の無力さを嫌というほど実感させられる。自分たちとは全く無関係なところで準備された毒ガスで弱り切った怪物を殺しても彼らの気持ちは晴れない。そんな彼らの想いはどこへ向かうのか。
大雑把にいうと、こんな感じのお話になっている。

僕自身、カンドゥの父親(ピョン・ヒボン)が死ぬシーンまでそのことに気づかなかった。
カンドゥから弾が一発だけ残っている猟銃を受け取り、怪物の正面から最後の一発をお見舞いしようとする父親。だが、何一つまともにやることのできないカンドゥは残弾数を数え間違えていて、既に弾は空になっていた。
そのことに気づいた父親は、二人の息子の方に向き直り、穏やかな表情で二人の息子に手振りで「行け」と促すのである(このシーンのピョン・ヒボンの演技は素晴らしかった)。
「ああ、カンドゥがまた間違えたのか、しょうがないな」
「俺がもっとちゃんとした父親だったらカンドゥはあんな風にならなかったんだろうな」
「そんなところでぼさっと見てないでさっさと走れ、カンドゥ」
そういう言葉が幾つも背後に隠れているような、そんな表情だ。

演出上、このシーンでは笑いが起こるようにしてあるので、僕は笑いながら涙を流すという器用な真似を強いられることになった。

「後悔(「恨」というべきかも知れないが)」というキーワードに気づいてしまうと、ヒョンソ(コ・アソン)が助からないという選択肢が俄然クローズアップされる。ヒョンソがホームレスの少年をかばって脱出を図るシーンまで来ると、もうヒョンソの死は確定したようなものだ(この時点で、僕はラストがほぼ想像できてしまった)。

多分、これがハリウッド製の映画だったら、ヒョンソは助かるはずだ。一番ありがちなのは、ラストでカンドゥと元ホームレスの少年がご飯を食べていると、ヒョンソが学校から帰ってくるというパターンだろう。
無論、ポン・ジュノがそんな脳天気な映画を作る訳はないが、怪獣ものに慣れた日本の観客は多分そういうものを期待してしまうのではないかと思う。

そういう意味では、完全にPRで失敗しているし、妙なバイアスをかけてしまったがために作品自体の評価も下がっているような気がする。

そういえば、ちょっと話題になっている「怪物」のデザインだが、確かに『機動警察パトレイバー WXIII (Wasted 13)』の怪物と似ている。ポン・ジュノ自身は『WXIII』を見ていないそうだが、デザイナーが見てたんだろうなあ・・・。
by solcov | 2006-09-10 13:05 | 映画

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